心は概念化できない
普段、私たちは生活の中で自分の心の内容を言語で表現する。しかし、本当に心の内容を概念化することが可能であろうか?
心は常に雲のように移り変わっている。ほんの5分前に考えていたことが、すぐに反対に変化していたりする。その危うく、移りやすい心の内容を言語化するということは厳密に言うと不可能だし、確実性がない。
だから、これが「自分の考えだ」と堂々と宣言することは実は非常に危ないことなのかもしれない。そしてその心の内容を表現することによって自分という存在が言語によって決められてしまう。そうするとにっちもさっちもいかず、後戻りできない状態になってしまう。
中には自分という存在を言語で決定づけたくて仕方がない人もいる。そういう人はそうすることで自分という存在の意義を確立させたいという動機があるのだ。だから、極端に概念化から外れることを嫌う。そうすることによって自分を見失ってしまうような怖さがあるからだ。
本当の自由とはそういう概念化から離れたところにある。そうすることによって、本当の意味での自由、安心感を得ることができる。このあたりの内容はもう少し考察して、機会があるときに詳しく書いてみたい。
- 作者: ゲラトゥリ・アングス,サラーティ・オスカー,小林司
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/11/20
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