理想と事実

 誰でもできるなら聖人君子のようになりたい。それが理想である。しかし、現実を見てみれば仕事をすれば怠けたくなるし、お金も欲しい、そして時には人を憎むこともある。これが事実である。

 

 私が考える純粋な心とはそのような煩悩をまずもって事実として認めることだと思う。理想を持って、それをあってはならぬという時にそれは事実を捻じ曲げる嘘の思想となる。そして煩悩を事実と認めつつ、淡々と生活する。これが本当の正直者だと思う。

 いわゆる聖職者と言われる人たちに問題が生じることが多いというのは理想主義に走って、事実を事実として認めようとしないところにある。